通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2025年4月号 佐藤  徹 高崎経済大学地域政策学部・大学院地域政策研究科教授に聞く

自治体と郵便局、今後はNPOや地域団体と連携を
「協働」「共創」の発想で、公共サービスを提供


 自治体経営の課題として、マクロ的には人口減少・少子高齢化、財政難、行政運営の停滞が挙げられます。若年層の流出や出生率低下は、地域経済や地域コミュニティの活力低下につながるおそれがあります。また、自治体の財政状況が厳しくなると住民サービスの質や量が低下する可能性があります。さらに、行政運営の停滞によって、行政組織が硬直化し、新しい施策や事業を打ち出すことが困難になる場合もあります。
 自治体行政の現場レベルで考えてみた場合、行政職員が足りなくなれば膨大な事業の検証や見直しをする余裕がなくなってきます。そして、事業の検証や見直しができなければ、前例踏襲で既存の事業を継続していかざるを得ません。一方、新たな社会課題や地域課題が顕在化すると、それに対処して新規の事業を立案しなくてはならず、行政の事業が肥大化します。このように業務量が減らない結果、人手が足りなる……。この「負のトライアングル」 をどこかで断ち切らなくてはいけません。

 【郵便局への期待】
 自治体と郵便局との連携は、包括連携協定が主流だと思います。郵便局と協定を締結している自治体は全国的に8割を超えているようです。ただ、自治体は、郵便局以外にも様々な民間企業・団体と協定を結んでおりますので、こういう協定は、ややもすると形骸化するおそれがあります。自治体と郵便局との包括連携協定は現在、基本的に「二者協定」だと思いますが、今後は「二者+α」の連携もあり得るのではないかと考えます。+αというのは地域の様々なアクター、例えばNPOや町内会、自治会なども連携の輪の中に入ってくるのではないでしょうか。郵便局の強みは、一つは「社会的信用力」の高さ、もう一つは「ネットワーク力」です。こうした強みを活かしながら、「コミュニティ・ハブ」としての機能充実を図ることが重要だと思います。