通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2026年3月号 前 自民党参議院議員会長 元 厚生労働大臣
公益財団法人 アジア人口・開発協会理事長
武見敬三先生に聞く

地域社会の再構築に欠かせない郵便局の存在
法改正で大都市の超高齢化問題にも対応を


――郵政民営化法等改正法の一部を改正する法律案の概要とその必要性についてご所見をお聞かせください。

 改正法案については昨年5月9日に総務部会、財務金融部会、金融調査会、郵政事業に関する特命委員会の合同会議で了承され、同月20日には政調審議会、総務会でも全会一致で了承されて自民党内の手続きを終えましたが、にもかかわらず、法案提出が約1カ月後の通常国会の会期末直前になったことは残念でした。メディアが郵便局のガバナンスに関してマイナスイメージになるような報道をしていたことは、法案提出のタイミングを計るときに実は結構、悩ましい問題でした。

 ただ、我々としては郵政三事業を考えたときに、グループ内で、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険に遠心力が働いていると指摘されることに象徴されるように、今の分割された経営形態下でのガバナンスをそのままにして良いとは決して思っていません。

 このため、三事業のユニバーサルサービスの確保、特にグループの紐帯をしっかり強化するという観点から、日本郵政が保有する、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式処分に関する条文から「できる限り早期に処分」という文言を削除して、日本郵政に「『当分の間』」、三分の一を超える株式をそれぞれ保有していなければならない」としています。 また、金融窓口業務契約についても、現在は民間同士の契約(民・民契約)となっていますが、これを総務大臣の認可事項とします。この種の契約というのはどうしても委託側の意向が強く反映されがちです。そういったなかで三事業一体を確保する観点から、政府もしっかり関与していく必要があります。