一般社団法人 通信研究会
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SNSは政治家と直接コミュニケーションが取れます。今までは政治家と有権者が直接、交われる機会が限られていたのですが、ネット上ではいくらでも繋がることができて、有権者側も意見を伝えることができます。「パラソーシャルな関係」、つまり疑似的に親密な関係を築くことができるのです。あるいは「政治的ファンダム」と言われるように、アイドルとファンの関係のような感情ができやすいです。それは既存のマスメディアにはできないものです。それゆえ、SNSというのは政党や政策ではなく、政治家個人への支持を高めるツールと言えるかもしれません。
今までマスメディアは、「政治家」対「有権者」という対立構図で政治を報道してきました。マスメディアは全有権者がいわば顧客なので、なるべく顧客の分裂・分断は避けたかったのです。でも実際には有権者の中でも対立構造がいくつもあるわけです。例えば、都市部と地方、世代間、男女、外国人が入っていることで得をする人、損をする人などと、いろいろあるのです。そうした対立構図がだんだんとネットやSNSで顕在化してきたわけです。
今、有権者の間にある対立軸が顕在化してきているのです。確かに投票率の向上など良い面もありますが、市民の間での対立軸が先鋭化して社会的分断が生じるところに差し掛かっています。
日本の社会保障は、年金にも代表されますが、賦課方式においては経済も人口も右肩上がりが前提だと思うのですが、経済も一進一退、人口は右肩下がりであり、それに合った制度や仕組みに変えていかなくてはなりません。財政検証で5年に一度見直しを行っているといっても、いずれ年間出生数が60万人、50万人減少していくことが想定されているわけですから、公的年金が保有する積立金があるうちに抜本的に制度を見直すべきだと思います。
今、年金を貰っている人たちにも安心感を与えなくてはいけませんので、年金の積立金を活用して給付に充てていく。一方で、これから年金を貰う世代の人たちには基礎的な部分を賄いますと安心感を与えていく。したがって、現行の社会保険方式による基礎年金部分を見直し、新たな税方式による基本年金を創設するべきだと考えます。
少子化が解消すれば、人口減少がすぐに止まるのかといえば、そうではありません。人口構造には、長期的な慣性があり、たとえ出生率が急上昇したとしても、子どもを産める年齢の女性人口が増えるにはしばらくの時間が必要になりますし、これら女性人口が増えないことには出生数は十分に増加しません。したがって、自然減少による人口減少は、即座にとどめることができないのです。このような人口の性質を「人口モメンタム」といいます。全国の将来推計人口の報告書では、2020年時点で出生率が人口置換水準に達したとしても、人口減少が止まるのは、2080~2090年(死亡率一定・国際人口移動ゼロの場合)。その時点での日本の人口は、今よりも24%ほど減少していると考えられています。
現在の少子化は、社会状況の変化があるにしろ、私たち一人ひとりの選択によって生まれた結果だともいえます。少子化の状況が解消しても人口減少が止まらないのであれば、人口減少を前提とした取り組みがまず必要です
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令和の米騒動で、注目度が上がった問題が流通の問題です。減反政策や消費者の米離れの問題は専門家の間では長年議論されてきた問題でしたが、その中間にあたる部分(集荷業者や卸売業者)の問題はあまり研究されてきませんでした。入手できるデータが限られており、ブラックボックス状態になっているからです。
今回のように米の価格が高騰しても、どこに米が流れて、誰が価格を吊り上げているのかなど、正確なデータが表に出てこないのです。これは日本だけではなく、世界的にも同じような状況が見られます。このような流通の問題が表面化したことが、今回の米騒動から得られた大きな教訓の一つであったと思います。国内でさえよく分からないわけですから、輸入でこうした事態が起きた時には、どうしようもありません。今回は国内の問題にとどまっていますが、食料の輸入依存度を上げるということは、今回の米騒動よりもさらに大きなリスクを抱えることになることは自覚しておいた方がいいでしょう。
エネルギー自給率というのは非常に難しい問題です。今、日本の自給率は15%ですが、石油、石炭、天然ガスといった化石燃料を使っている以上、資源のない日本は輸入に頼らざるを得ず、自給率が低くなるのは仕方がありません。そして今回、2022年に起きたロシアのウクライナ侵攻でヨーロッパが直面している問題からの教訓は「エネルギーが同盟国からしか買えない」ということです。つまりロシアとか中国というような強権国家と呼ばれる国に依存することは大変にリスクが高いということです。ですから、最悪でも同盟関係にある国から調達することが必要で、できれば自国で賄いたいということです。それと、これは食料とも同じなのですが、自給率が低い、つまり海外依存度が高いと為替の影響を大きく受けます。今、円安の影響で食料価格も電気代も高騰に拍車がかかっています。自給率が低ければ低いほど、こうした為替変動のリスクを受けてしまいます。これは企業活動や国民生活にとっても文字通りリスクです。こうした観点からみても、食料同様にエネルギーも自給率を高めるということが求められるわけです。
ヨーロッパは陸続きなので、各国間で送電線もつながっており、他国と電力を容易に融通することができます。ここが日本との決定的な違いです。ドイツは2023年4月の脱原発以降、フランスからの電力輸入量が増えています。例えば、同年7月のドイツのフランスからの輸入量は18億4000万キロワット時に上りました。一方でフランスへの輸出量は6900万キロワット時で、輸入量のわずか4%しかありません。ドイツの再エネによる発電量は北部の風力によるものが多いのです。しかしドイツ国内では北から南への送電能力がありません。ですから北部の電力を隣国に輸出し、南部はフランスの原発からの電力を輸入しているのです。
実際、欧州連合(EU)27カ国のうち、14カ国が原発推進に舵を切っています。これにイギリスを加えれば、ヨーロッパで完全に大多数が原発推進です。やはり脱炭素をしながら電気代を下げるというのは簡単ではないのです。再エネは、発電コスト自体は安いのですが、その再エネを導入するために必要な送電網の整備やバックアップ電源のコスト(統合費用)を加えると実は割高になるのです。
竹は繁殖力が強く、しかも上部に歯を広げるため、竹よりも低い植物への太陽光が遮られてしまうため、里山に従来から生育している木を枯らしてしまいます。また、集水地域に生息する竹は、放置すれば斜面崩壊や土砂崩れの原因にもなるのです。そのため放置された竹林整備が必要となりますが、誰が伐竹するかという問題に加えて、伐採後の大量の竹廃材をどう有効活用するかが社会課題となっています。
竹は繊維力、すなわち引張に対して強さがあり、舗装材の曲げに対して抵抗力を発揮すると思っていたので、竹チップ(竹を専用の粉砕機を使って細かく砕いたもの)を混ぜ込んだ土系の舗装材の開発を始めました。
平成24年に産官学民が参加する「竹イノベーション研究会」を設立して、私が代表となり、福岡大学がハブになる形で、竹資源の有効活用・環境保全を検討したり、商品化・販売方法などを研究してビジネスネットワークを構築しようという動きが始まりました。